2026年7月28日
- PUDU
- レポート
中堅製造業が知っておきたい「工程を判断単位で分解する」スモール自動化という考え方
Factory Automation Summit 講演内容をもとに解説
2026年3月19日に開催された「Factory Automation Summit」。製造業界のDXと自動化が加速する中、多くの企業が直面する「投資対効果」と「人材不足」の壁をどう突破すべきか、活発な議論が行われました。
本セッションでは、株式会社アフレル ロボティクス 事業部 エンジニアである川崎が登壇。自動車部品メーカーでの25年にわたる生産技術の現場経験を基に、中堅製造業の皆様が現実的に導入できる「第3の自動化戦略」についてお話ししました。
「自動化は進めたいが、数千万円の投資は回収の目途が立たない」「専用機を作っても、製品サイクルが短くてすぐに使えなくなる」。そんな現場の切実な悩みを解決するための新しいアプローチをレポートします。
「専用機か、断念か」の2択を打破する“第3の選択肢”
これまで、製造現場の自動化には大きく分けて「高額な専用機を導入する」か「多額のコストを懸念して断念する(あるいは完全内製に挑む)」という選択肢しかありませんでした。
この現状を打破する手段として、当社が展開する「ロボットパッケージ」という第3の選択肢を提示しました。これは、初期投資300万円から、最短3ヶ月での導入を目指すという、従来のFA業界の常識を塗り替える挑戦です。
「自動化はもはや生存戦略です。しかし、多くの中堅企業の皆様が足踏みしてしまう理由は、技術力不足ではなく、投資・多品種・人材という『3つの不一致』にあります」
この不一致を解消するために必要なのは、ロボットの性能を上げることではなく、「工程の捉え方を変える」ことでした。
人の「持ち場」を疑え。“判断単位”での工程分解
多くの現場では、工程を「作業者Aさんの担当範囲」という単位で捉えています。しかし、一人の人間が歩き回り、器用にこなす動きをそのまま機械に再現しようとすれば、システムは複雑化し、コストは跳ね上がります。
そこで当社が提唱するのが、工程を「1つの判断と、それに付随する動作」の最小単位まで分解するという考え方です。
- 人ならではの判断: 複雑で柔軟な対応が必要な作業
- 単純な判断の繰り返し: ロボットが得意な定型作業
このように分解してみると、実は「向きを確認する」「重なりを避ける」といった、ロボットが代替しやすい単純判断の積み重ねで現場が回っていることが見えてきます。
あえて「100%を目指さない」ことで生まれる余裕
「工程を丸ごと自動化する」という100%の目標を捨て、「切り出せる部分から段階的に自動化する」。この引き算の発想こそが、低コスト・短期間での実装を可能にする鍵です。
例えば、製品の整列供給部分だけをロボットに任せ、前後の工程は引き続き人が担当する。このように判断単位で工程を切り出すことで、求められる動作がシンプルになり、高度で高価なロボットが不要になります。
このアプローチには、単なるコスト削減以上のメリットがあります。工程を分解することで、それまでブラックボックス化していた作業の中身や、「どこが真のボトルネックなのか」を可視化できるようになるのです。
ロボットを「外注の装置」から「自社の道具」へ
自動化を成功させるための真のゴールは、導入そのものではなく、「現場で使いこなすこと」にあります。
当社が提供する「オペレーション・ロボット・パッケージ」シリーズは、電源を入れればすぐに動き出し、特別な設置環境も必要としません。しかし、本講演で最も強くお伝えしたかったのは、「内製化の土台作り」への支援です。
「私たちが考える内製化とは、装置をゼロから自作することではありません。導入したロボットを自社スタッフが調整し、メンテナンスし、改善し続けられるようになること。それが真の成功への近道です」 現場の知見をダイレクトに反映し、トラブル時も自社で即座に対応できる。この「道具として使いこなせる安心感」が、現場への定着を加速させ、無理のない自動化を可能にします。
未来へのアクション:明日から始める「自動化の再定義」
セミナーの締めくくりとして、明日から実践できる3つのステップを提言しました。
- 工程を「判断単位」で分解してみる
人の担当範囲ではなく、一つひとつの判断や動作に分けて整理することで、自動化しやすい工程が見えてきます。 - 小さく始められる工程を探す
工程全体ではなく、一部だけを切り出すことで、投資を抑えながら効果を確認できます。 - 導入後の運用まで考える
設備を導入することではなく、自社で改善し続けられる体制を考えることが、自動化を成功させるポイントです。
「数千万円かけて全てを自動化しなければならない」というプレッシャーから解放され、まずは手が届く範囲から変えていく。この視点の転換を、私たちアフレル ロボティクスと共に始めてみませんか?
私たちは、皆様の自動化プロジェクトを共に進めるパートナーとして、全力でご支援いたします。
【登壇者プロフィール】 川崎(株式会社アフレル ロボティクス 事業部 エンジニア)
約25年、自動車部品の製造現場で生産技術エンジニアとして従事。現在はその豊富な現場経験を活かし、お客様の目線に立ったロボットパッケージの開発・導入支援を行っている
